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【2028年4月義務化】従業員50人未満の ストレスチェック義務化とは|中小企業がやるべき準備

公開日:2026年7月8日 / 最終更新:2026年7月10日

🤖 3行でわかる50人未満のストレスチェック義務化

  • 改正労働安全衛生法(正式名称「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」・令和7年法律第33号・2025年5月14日公布)により、従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施義務が課される。施行期日を定める政令(令和8年政令第195号・2026年6月10日公布)により、施行日は2028年4月1日(令和10年4月1日)で確定した。
  • 50人未満の事業場は実施義務化後も労働基準監督署への実施結果報告義務は課されない見込みで、これは50人以上の事業場との明確な違いである。
  • ストレスチェック未実施そのものに直接の罰則規定はないが、安全配慮義務(労働契約法第5条)との関係や行政指導のリスクがあるため、早めの準備が推奨される。
監修

監修:山下 勝之(C&C株式会社 代表取締役)

中小企業向けストレスチェック外部委託サービス比較メディア「ストレスチェック比較ナビ」運営責任者。本記事は厚生労働省・労働政策審議会の公表資料、法律案原文をもとに作成し、内容を確認しています。

これまで「努力義務」にとどまっていた従業員50人未満の事業場のストレスチェックが、法改正により2028年4月1日から実施義務へと変わります。施行時期や義務の中身について、不正確な情報も見られるテーマですが、この記事では2026年7月時点で確認できる一次資料の範囲に絞って、正確な状況と今からできる準備を整理します。

改正法の概要は?(成立日・公布日・法律番号)

今回の義務化の根拠となるのは、「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」(令和7年法律第33号)です。2025年3月14日に第217回通常国会へ提出され、参議院・衆議院それぞれの厚生労働委員会での審議を経て、2025年5月8日に衆議院本会議で可決・成立2025年5月14日に公布されました。

この改正法は、これまで労働安全衛生法附則第4条により「当分の間、努力義務」とされてきた50人未満事業場の経過規定そのものを削除するもので、事業場の規模を問わず実施義務を課す方向に法律の建て付けを変える内容です。

施行時期はどう確定した?(政令案要綱から政令公布まで)

「いつから義務化されるのか」は最も関心が高いポイントですが、正確に理解するには段階を分けて見る必要があります。

改正法の条文(附則第一条第六号)では、50人未満事業場を対象とする規定の施行期日について「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」とだけ定められており、法律の条文自体には具体的な日付は書かれていません。

具体的な日付が初めて示されたのは、2026年5月18日に開催された第185回労働政策審議会安全衛生分科会においてです。厚生労働大臣からこの分科会に「施行期日を定める政令案要綱」が諮問され、その要綱では、改正法(令和7年法律第33号)附則第一条第六号に掲げる規定の施行期日を令和十年四月一日(2028年4月1日)とすることが示されました。同日付で分科会から労働大臣への答申(労審第1778〜1780号)も出されています。厚生労働省の公式サイトにも「令和10年4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます」との記載があります。

その後、2026年6月10日に「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」(令和8年政令第195号)が公布され、政令案要綱で示されていたとおり、改正法附則第一条第六号に掲げる規定(50人未満事業場のストレスチェック義務化)の施行期日は2028年4月1日(令和10年4月1日)で正式に確定しました。したがって、これ以降「2028年4月1日施行」は答申段階の見込みではなく、確定した施行日として案内できます。なお、実施方法等の詳細は今後の省令・指針の改正により変わる場合があるため、実務対応にあたっては厚生労働省の公式サイトなど最新の公式情報もあわせて確認することをおすすめします。

なお、改正法には50人未満事業場の負担に配慮し「施行までの十分な準備期間を確保する」旨が明記されているほか、国会の附帯決議でも「事業者に過度な経済的負担及び業務上の負担が生じることのないよう、十分な準備期間を確保し、事業場の状況に鑑み、導入時期を慎重に検討する」とされています。

義務の内容はどうなっている?(実施義務・面接指導)

改正後に50人未満事業場へ課される義務の中身は、基本的に現行の50人以上事業場向けの制度と同じ枠組みです。

  • ストレスチェックの実施義務:事業場規模を問わず、年1回のストレスチェック実施が義務となります(労働安全衛生法第66条の10自体は改正されておらず、50人未満を適用除外としてきた経過規定が削除される構造です)。
  • 高ストレス者への医師による面接指導:ストレスチェックの結果、高ストレスと判定され本人から申出があった労働者に対し、医師による面接指導を実施する仕組みは50人以上事業場と同様です。小規模事業場では面接指導を担う医師の確保が課題となりやすいため、国は「地域産業保健センター」の体制拡充を支援策として進めています。
  • 集団分析・職場環境改善:こちらは今回の改正でも義務化はされておらず、引き続き努力義務にとどまります。

国の支援策としては、2026年2月25日に「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表されており、労働者のプライバシー保護と実効性のある実施体制・方法が示されています。

50人以上の事業場と何が違う?(報告義務の有無)

50人未満事業場と50人以上事業場とで、義務の内容には重要な違いがあります。とくに誤解されやすいのが、労働基準監督署への報告義務の扱いです。

項目50人以上事業場(現行)50人未満事業場(義務化後)
ストレスチェックの実施義務義務化される
高ストレス者への医師面接指導義務同様の仕組みが適用される
労基署への実施結果報告義務(年1回)義務は課されない見込み
集団分析・職場環境改善努力義務努力義務(変更なし)

都道府県労働局が発行するパンフレットには「労働基準監督署への『ストレスチェックの実施結果』の報告義務は、引き続き、50人以上の事業場が対象となる」と明記されています。つまり、50人未満の事業場は義務化後も労基署への報告は求められないという設計です。この点は、「義務化=50人以上と全く同じ扱いになる」という誤解を避けるうえで重要なポイントです。

罰則はあるのか?正確な説明

罰則についても、正確に切り分けて理解する必要があります。

ストレスチェックの実施義務そのものには、直接の罰則規定はありません。条文上、ストレスチェックを定める労働安全衛生法第66条の10には罰則条項が引用されておらず、「未実施そのものへの罰金・懲役といった直接罰則はない」という理解が一般的です。

ただし、罰則がないことと「実施しなくてよい」ことは同じではありません。ストレスチェックを実施しないまま労働者のメンタルヘルス不調を見過ごした場合、労働契約法第5条が定める安全配慮義務との関係で使用者としての責任が問われる可能性があります。また、著しく対応が不十分な事業場は行政指導の対象となることも考えられます。「報告義務違反で罰則がある」といった煽り文句を見かけることがありますが、これは50人以上事業場の報告義務(違反時に50万円以下の罰金の対象となりうるとされます)に関する話であり、報告義務自体が課されない50人未満事業場には当てはまりません。この違いを混同しないことが大切です。

今から何を準備すればいい?

施行(2028年4月1日)まで一定の準備期間があるとはいえ、実施体制の整備や委託先の選定には相応の時間がかかります。直前になって慌てないよう、段階的に準備を進めることをおすすめします。

  • 情報収集フェーズ(今すぐ〜):実施方法等の詳細を定める省令・指針の改正状況を継続的にウォッチする。厚生労働省の公式サイトなど一次情報源を定期的に確認する。
  • 体制検討フェーズ:自社で実施するか、外部の医師・保健師や委託サービスを利用するかを検討する。50人未満の事業場では、産業医との契約がない場合も多く、面接指導の実施主体をどう確保するかが論点になりやすい。
  • 比較・選定フェーズ:外部委託を検討する場合は、料金体系・対応範囲・プライバシー保護の方法などを複数のサービスで比較する。
  • 試験導入・本格運用フェーズ:施行前に一度試験的に実施し、社内の運用フローを確認したうえで、本格運用に移行する。

国も「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」の整備や地域産業保健センターの体制拡充など、小規模事業場向けの支援策を進めています。あわせて活用しながら、自社に合った準備の進め方を検討するとよいでしょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 従業員50人未満のストレスチェック義務化は、いつから始まりますか?

A. 改正労働安全衛生法(正式名称「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」・令和7年法律第33号・2025年5月14日公布)に基づき、施行期日を定める政令(令和8年政令第195号・2026年6月10日公布)により、2028年4月1日(令和10年4月1日)が施行日として正式に定められました。実施方法等の詳細は今後の省令・指針の改正により変わる場合があるため、最新の公式情報をご確認ください。

Q. 50人未満の事業場がストレスチェックを実施しないと、罰則がありますか?

A. ストレスチェックの実施義務そのものに直接の罰則規定はありません。ただし、実施しないことは労働契約法第5条が定める安全配慮義務との関係で問題になりうるほか、行政指導の対象となる可能性があります。なお、50人以上の事業場に課される労働基準監督署への実施結果報告義務は、50人未満の事業場には課されない見込みです。

Q. 50人未満の事業場は、いつから準備を始めればよいですか?

A. 施行(2028年4月1日)まで一定の準備期間があり、国も小規模事業場向けの実施マニュアル整備や地域産業保健センターの体制拡充を進めています。とはいえ、実施体制や委託先の選定には時間がかかるため、施行時期の直前に慌てないよう、早めに情報収集を始め、比較検討を進めておくことをおすすめします。

参考・出典

※本記事は、改正労働安全衛生法(正式名称「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」・令和7年法律第33号・2025年5月14日公布)に基づき、施行期日を定める政令(令和8年政令第195号・2026年6月10日公布)により2028年4月1日施行と定められた内容をもとに作成しています。実施方法等の詳細は今後の省令・指針の改正により変わる場合がありますので、最新の公式情報は厚生労働省の公式サイト等でご確認ください。本記事は制度の一般的な情報提供を目的としており、個別の事業場における法的な判断は、社会保険労務士や所轄の労働局・労働基準監督署にご相談ください。

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